新婚生活

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新婚生活

婚礼の儀を済ませた二人は、次の日の朝を迎えた。宮さまには前々から住んでいる家であるが、新お妃にはおとといまで入ったことがない。メイドたちが支度したダイニングのテーブルで朝食を済ませた二人は、着付師の手で着せられて公用車で宮殿へ向かった。 宮殿に到着すると、宮さまの両親や兄弟を交えてスケジュール通りの公務に取りかかった。宮さまはともかく、新お妃には右も左もわからない。お妃は、後ろに付いている女官に指図されながら、やるべきことをやった。 お昼の時間になり、家族全員で昼食会に参加することにした。昼食を済ませると談話になった。宮中言葉が飛び交う中、お妃だけはみんなが何を言っているのかチンプンカンプンなので、あまり発言をせずに周りの人と適度に合わせていた。 休憩時間が終わると、また午後のスケジュールに入った。宮さまたちは、謁見の間で謁見する両親の横に控えた。政治家にも一般人にも対等に接する舅・姑のスケジュールやり取りを見るしかない。「これが、未来の私か」と思いながら、それが終わるまで直立不動の姿勢で時間が過ぎていくのを待った。     
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