太陽の季節

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スキップするレイチェルを叱りつけ、アタラクシアは機長席に戻った。 何かがおかしい。 緊急処置システムのコンソールを叩いて、封印を解除する。 キーワードを思いつくままに打ち込んで行く。 【エクソダス】 やっぱりだ。地球にもしもの時があった場合に備えて、できうる限りの女性をヴァルカンに疎開させる計画。その船団が飛来したのだ。 「太陽はどうして、あたしたちを試す?」 レイチェルは見る見るうちに青ざめていく。エクソダス船団はトゥオネラ号に見向きもしない。 「あたし達、どうなっちゃうんですか~~?」 「レイチェル。大プールにお湯を張ってくれ。真水じゃない。生理食塩水だ」 アタラクシアはそういうやいなや、ネクタイを緩めた。見る見るうちに下着姿になる。 「頭、大丈夫ですかぁ」 「おかしくなったのは、地球人(あいつら)だ。グズグズしてると、バスに乗り遅れちまうよ!」 二人は乗客を急いでプールに飛び込ませた。そして、頭まで浸かるように命じた。     
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