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2020年4月6日 月曜日 夕食
久留見家
俺たちと美夜の家族が対面する形で座って夕食が始まる。
一夜
「恭介は趣味はなんだ」
ぎくしゃくしながらも会話を図ろうとしてくれている。
恭介
「読書とサイクリングと登山です」
一夜
「登山か。この辺の山は登ったことはあるかな」
恭介
「ええ、一通りは」
一夜
「そうか。今はどこに住んでいる?」
そんな感じでしばらく当たり障りのない話が続く。
そして決定的なところに話は進む。
一夜
「恭介は娘のどこに惚れたのかな?」
困った。正直答えは考えてない。
恭介
「強気なところかな~?」
首をかしげながら半分疑問形で答える。
一夜
「わかるぞ。美夜の母親も強気でな。だらしない俺みたいなやつにはぴったりだ」
紗夜
「女は強気なくらいがいいのよ」
紗夜さんというのが美夜の母親だ。
アルベル
「玉に瑕ではあるがな」
アルベルさんというのが美夜の祖父だ。
紗夜
「何言ってるのかな。お父さんは」
アルベルさんが紗夜さんに怒られる。
一夜
「それで、エリクはアリスのどこに惚れたのかな」
エリク
「みてすぐ”かわいいな”と思って、告白しました」
なんか普通だな。
一夜
「そっか、そうだよな。アリスはかわいいもんな」
エリク
「はい」
その後もぎくしゃくとした会話を続けてお開きとなった。
問題なのは会話の最中、美夜が一度も助け船を出してくれなかったことだ。
恭介
「薄情者め」
美夜
「困っている恭介がかわいかったのよ」
なじったらそう返してきた。
仕方ないな~と思いつつエリクと二人で帰る。
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