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「彼はどうして、こちらを見て笑っているのでしょう? ムカつきますね」
脳内から怒った声が聞こえて来る。
大体のこちらを嘲笑っている理由は予想はつく。
「では、順番をお答えください」
「1番目だ」
唐突に指名され、即時に答えを言われるのは死の準備の覚悟も出来なかったが。特にその必要も無さそうな答えだ。
まるで、捨てキャラのように。
「不正解です。丸内正志、試練失敗となります」
「は……」
今度は先程より頭が爆発するのが早かった。
普通は最後に喚いたりするのが、本来のはずなのだが。
多分、時間的効率問題なのだろう。
AIは効率だけを求めたがる。
倫理的で効率的。それが、世界を進ませた。
80億人が100万人の試練を仮に、言われた通りに通過しているならば。現在の世界人口は8000人だ。それを1グループ12人で計算すると、666チーム。
膨大な数のAIと仮想世界が必要となる。
そんな第2試練に時間をかけてられないのだろう。
そして、俺はそこに勇逸AIの焦りを感じる。
脳内から聞こえてくる。
「あの方はなんだったんでしょうね? 私達を指差した男」
気にするにも値しない男だろ。
「ねぇ、協力しない?」
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