第4章(第4話)順番当て試練

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その声に少しだけ驚くが、誰の声かは分かっていた。 愛だ。 これは相手にしていいのだろうか、この愛という人間には複数の疑問点がある。 それも、理解が不能な問題だ。 「もう、浬子っていう子は勝ち抜けしちゃったし。あと2枠しか残っていないし、ここは協力をした方が得だと思うの」 「その協力方法を教えてくれないと、協力は出来ないな」 再度脳内から声が聞こえる。 「今は、私はこの愛という方に関わるのは極力避けた方が良いと進言します」 確かに、不確定要素が多すぎる愛との協力は危険極まりない。 俺が殺した愛が何らかの方法で試練を突破していたとしたら、俺のクリアタイムを知っているはずだ。 「簡単よ、3回の情報開示は譲渡が出来るのよ。というか、この試練は元々一人勝ちが出来ない様に設計されていると思うの」 情報開示は各3回の権利を与えてられている。 その権利とは他人の第1試練の突破時の情報を閲覧可能になるといものだが。他人に使用すると1回目の使用で、突破方法閲覧可能。同じ人間に2回目を使用でタイムを閲覧できる。 協力人数が3人の場合は統合して、9回の閲覧が出来る。 3人のタイム記録の閲覧と、1回の突破方法閲覧。 12人のうちの3分の1のタイムを予測出来る。 そして、自分のタイムと比較する。 まぁ、それでも多少の運も必要となるが、上位にこの空間に来たものは大体を把握出来るアドバンテージに上に、閲覧が出来れば順位当ては容易だ。 即ち、この試練は12番目…後ろの順位で来てしまったなら、ほとんどの勝ち目が無い。 という事になる。 「ああ、了承しよう」 脳内に大きく響く。 「暦!? 危険だと言っているはずです。この愛はおそらくあなたの殺した愛と同一人物です」 それは正確か? AIでは無い人間の真維は間違える事がある。 そんな化学現象を超えた事は、俺は信じない。 「譲渡はあなたでいいわ。信用を得るにはあなたの方に権利譲渡した方が、いいでしょ?」 「あぁ、ありがとう」 閲覧可能回数が6回になったのを見ると、少しだけ安心してしまう。 これからが、まだ試練がの始まりだ。
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