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一旦、彼らに警視庁に戻るように指示があったのは、十七時になろうかという時刻であった。
「おかえり。証言から、犯人らしき人物が浮かび上がった」
布井は三人に顔写真を配る。
「キャルビン・フォールズ。全世界で指名手配されている犯罪者だ」
湊人は眉間にしわを寄せた。
「どうして指名手配犯が、日本に入国したんですか」
「恐らく、それもヤツの仕業だろうな。今回の事件には、ヤツが積極的に関わっていると見てよさそうだ。……湊人、いけるか?」
湊人はうなずく。
「大丈夫です。湊人には、俺たちが付いてますから」
翔大が満面の笑みで、湊人の肩に手を回す。
湊人は、キャルビンの顔写真を見つめる。
その視線は、頬の深い傷に注がれていた。
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