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「次の場所、目的地が分かれば、第三の事件を防げるかもしれない」
湊人の呟きに、小晴が反論する。
「でも、この事件は通り魔です。目的地なんてあるのでしょうか」
「ある。だって、この事件は……」
十五年前の事件と、同じ場所で起きているんだから。
ニュースで、ワイドショーで取り上げられなくなると、人々の記憶から事件は消えていく。
だが、被害者は、遺族は。
彼らは、置き去りにされる。
彼らは心に傷を負ったまま、残りの人生を歩いていく。
その背中に、重い重い十字架を背負って。
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