警視庁第十九課 『切り裂きジャックの復活』

24/35
前へ
/35ページ
次へ
 部屋に入るとすぐに、看護師は湊人たちに話す。 「実は大路さん、失踪したんですよ」  失踪、と聞き返す湊人の声に頷き、看護師は続ける。 「それが、昨日のことなんですけど、傷の調子を看ようと部屋に行ったら、姿が無かったんですよ。婦長はまだ遠くまで行ってないだろうって、警察に捜索願は出していなかったんですよ。私は出したほうがいいって言ったのに」  看護師は拗ねたように口を尖らせて、また話し出す。 「婦長の命令で周辺を捜索したんですけど、結局大路さんは見つかりませんでした。あの……」  眉間にしわをよせている湊人の顔を覗き込むようにして、看護婦は遠慮がちに言う。 「大路レオさんの個人情報、提供できますが?」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加