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部屋に入るとすぐに、看護師は湊人たちに話す。
「実は大路さん、失踪したんですよ」
失踪、と聞き返す湊人の声に頷き、看護師は続ける。
「それが、昨日のことなんですけど、傷の調子を看ようと部屋に行ったら、姿が無かったんですよ。婦長はまだ遠くまで行ってないだろうって、警察に捜索願は出していなかったんですよ。私は出したほうがいいって言ったのに」
看護師は拗ねたように口を尖らせて、また話し出す。
「婦長の命令で周辺を捜索したんですけど、結局大路さんは見つかりませんでした。あの……」
眉間にしわをよせている湊人の顔を覗き込むようにして、看護婦は遠慮がちに言う。
「大路レオさんの個人情報、提供できますが?」
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