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看護師に教えてもらった住所は、都内のアパートの一室だった。
大路と書かれたプレートがかかる扉をノックするが、中からは何の反応も無い。
「あんたら、大路さんを訪ねて来たんかえ」
大家と思われる老婆が、湊人たちに話しかけてくる。
「そうですが」
「大路さんは、もうおらんで」
顔を見合わせる湊人たちに、大家は言う。
「そういえば昨日も、大路さんを訪ねてきた人がおったな」
「それは、どんな人でしたか」
大家は少し考えるそぶりをしてから、はたと手を打った。
「確かあれは、外国の人だったねぇ。ほっぺたに傷がある」
湊人が顔写真を見せると、大家はこの人だよと大きく頷いた。
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