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手紙は、流暢な流れるような字で綴られていた。
それは挨拶から始まり、湊人の体調を気遣うような文面だった。
しかし最後の一文で、湊人は衝撃を受けた。
「『切り裂きジャック』は気に入ってくれたか、だって?」
布井が、すっと目を細める。
「チーフ、何か知っていますか。『切り裂きジャック』について」
布井はそのどろりと濁った目で、湊人の目を見据えて伝える。
「資料室で、自分の事件を調べてみろ。目を閉ざしているだけじゃあ、ダメだ。湊人、まずは相手を知れ。お前に足りないのはそれだ」
布井は片手をあげて、部屋を後にする。
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