警視庁第十九課 『切り裂きジャックの復活』

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 一課の部屋に着くと、そこには子どもが座っていた。 「あ、さっきの兄ちゃん」  とても疲れた目をした少年は、湊人を見ると椅子から立ち上がる。 「犯人は、捕まえてくれたの」  湊人が答えられずにいると、少年のそばの小晴が助け舟を出した。 「お兄ちゃん、頑張ったんだけどね、犯人は遠くにいっちゃったの」 「遠く? 遠くって、どこに? 日本のお外?」 「ううん、もっと遠く。聡太くんの、お父さんがいるところよ」  すると少年はにっこりと笑った。 「じゃあ、お父さんが捕まえてくれるよ! 僕のお父さん、強いもん!」  湊人は小晴に礼を言って、その場を離れた。  その目に、うっすらと涙を浮かべて。
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