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卒業式から、すべてが始まった。
「これにて第85回遊人市立獣中学校卒業式を終了いたします。」
(やっと終わったか・・・)
宮岸はそっとため息をついた。自分が送られていると分かっていても、片付けは全て下級生がやってくれると分かっていても、やっぱり卒業式はめんどいのである。だるいし。
「それでは、卒業生の退場です。皆様、拍手をお願いします。」
宮岸含め3年生全員が立ち上がる。
拍手で見送られながら、宮岸は伸びをするのを必死にこらえていた。教室が恋しいな、と宮岸は思い、自然と速足になる。
(あれ?)
そこで宮岸は違和感に気付いた。体育館の出口まではこんなに長かっただろうか。なんだか、同じ道を何回も行ったり来たりしているような感覚。
(あれ、他の奴は・・・?)
しかし、気付いた時にはもう遅い。宮岸の体は床に叩きつけられていた。
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