星の降る夜

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「まだかなー。」 ちえは自分の部屋の窓から夜空を見上げていた。 今夜は今年初の雪の予報だけあって、閉めきった部屋の中でもひどく冷え込む。 数時間前の興奮も冷めやらぬまま、窓際で白い息を吐きながら、ちえは初雪を待ち望んでいた。 すると部屋のドアをやさしくノックする音が聞こえてきた。 「はーい。」 その音にちえが答えると、部屋の扉が開く。 「ちえちゃん、そろそろ寝る時間よ。あら……。」 扉から覗き込んだちえの祖母は、ちえの出で立ちを見てぎょっとした。 「ちえちゃん、寒いなら暖房をつけなさいよ。 コートに手袋なんて、まるでお外に行く格好じゃない。」 「いいの、気にしないで。 それより、おばあちゃん。」 「なあに?」 「今夜、雪がふるんだよね?」
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