星の降る夜

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「どうしたの、おかあさん。」 突然泣き出した母親を見たちえは、 はしゃぐ足を止め由理恵の元へと駆け寄り心配した。 由理恵はそんなちえの頭を優しく撫でると、 ちえと同じ目線にしゃがみこんだ。 「ねえ、ちえちゃん聞いて。 お母さん、もうすぐお星様になるの。」 「……お星様に?」 由理恵の言葉に、ちえは不安そうな表情を覗かせる。 すでに父親を失っていたちえは 幼いながらもその意味をなんとなく理解していた。 「お父さんがいる所に行かなきゃいけないの。」 「……お父さんのところ……。」 由理恵は小さなちえをそっと抱き寄せ、 「でも、悲しまなくてもいいのよ。 お母さん、ちえちゃんのことは お空からちゃーんと見てるからね。」 と、ちえを安心させるように言った。 そして、これ以上泣く姿をちえに見せないよう ちえをギュッと抱きしめた。 しかし、そんな由理恵の耳元で ちえはこう柔らかく言うのだった。 「……お母さん。 お母さんがおほしさまになるなら、 ちえは大丈夫だよ。 だって……」
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