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回答編
「…どうした、銀大地?」
次第に震えは大きくなり、
ついにはクツクツと笑い出す銀大地。
「そうか、そういうことか。」
「何が、そういうことなんだ?」
クツクツという笑いは、徐々に大きくなり。
次第には大爆笑という様相に。
「大丈夫か?銀大地」
腹を抱えて、ヒーヒー言い始める名探偵。
しまいにはむせ始める始末。
「げほっ、げはっ。」
「いったい、何に気付いたっていうんだ…?」
荒くなった呼吸を抑えつつ、名探偵は口を開く。
「気づきませんか、警部。」
「何にだ?」
「比嘉(ヒガ)家は、この地域で代々、医師を営んでいる家計なのですよ。」
「それがどうした?」
「被害者は全員、比嘉家の人間です。」
ニヤリと口元をゆがめる銀大地。
「そんなことは分かっとる。それがなんだっていうんだ?」
「被害者は、比嘉家の人間です。」
「だから、なんだっていうんだ。」
「被害者は、比嘉医師です。」
眉間に皺を寄せる鬼鬼鬼瓦警部。
「被害者は、比嘉医師です。ククククク。」
懐にそっと手を忍ばせる警部。
「被害者は、比嘉医者です。アッハハハハハ!」
鳴り響く轟音。
放たれた弾丸。
絶命する名探偵。
こうして、一つの事件は幕を開け。
鬼鬼鬼瓦警部は、現行犯逮捕された。
一つの事件のフィナーレである。
比嘉家で起こった連続殺人事件については、
警察の科学捜査が身を結び、
無事に解決したことは言うまでもない。
おしまい。
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