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嫌です、恥ずかしいです、と嫌がる真綾になんとかお願いをし、着替えから戻ってくるのを待つ。
透哉の知らない真綾の学生時代。
5つも下であれば、中学も高校も共に過ごすことは無かっただろうが、それでも恋人の過去には存分に興味があった。
「お待たせしました…」
ガチャリ、部屋のドアノブが回り、少し開いた隙間から真綾の顔が覗く。
こちらを恥ずかしそうに窺う真綾に、透哉は大きく手招きをした。
「ううー…さすがに恥ずかしいんですけど…」
真綾は顔を赤くして、観念したようにおずおずと部屋へ入ってくる。
透哉は思わず目を覆いそうになった。
思った以上に、破壊力がある。
中学生がこんなにも魅力的な服装で存在していたなんて、あの当時は全く思いもしなかった。
ベッドに腰掛ける透哉は、真綾を自分の目の前まで手招きで誘導する。
スカートの裾を恥ずかしそうに摘んで伸ばしている真綾の手を取る。そして、ゆっくりと、上から下まで観察をした。
「…見すぎでは…」
責める様な声音で真綾が独りごちる。
握った彼女の手は熱かった。
「俺、中学の時はブレザーだったから。珍しくて」
なんて、そんなのは半分嘘なのだが。
確かにブレザーではあったが、別に珍しくはない。街中やテレビの中でだって、幾度となくソレを着用した女性を見てきている。
だが今、透哉は初めて、セーラー服という装備の需要の高さの真髄を目の当たりにした。
なるほど、これは皆が興味を持つのも解る気がした。
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