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強い思いを込めた無機物には意思が宿る。校庭の隅に転がっていた、ただの丸い石だってそう。付喪神、という言葉があるくらいだし、これは日本古来の考え方なのだ。私一人が特別なんじゃない。それにもはや、今この瞬間。私に必要なことだけが現実で、何よりも愛おしい存在だった。
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ライトノベルにはまりたての女子中学生がネットの掲示板に書き連ねそうなポエムはこのくらいにして、ウルトラハイパーハッピーパラダイス分子で構成された私の人生と、現実の話をする。ウルトラハッピーパラダイス。そうとまで言い切る根拠は、仲のいい友達がいるとか、両親がいるとか、たくさんあるけれど、しいて一つを上げるなら、とてつもなく顔立ちの整った彼氏がいる、ということ。わかる人にはわかると思うが、この時点で常人とは幸福度数が二億くらい違う。あまりにも違う。血のつながりもないのに、私以外に私を大切に思ってくれている人がいるということは、よく考えなくたって大変なことだ。だから私は毎日楽しくて、どうだ魑魅魍魎、生きとし生けるものたち。私がうらやましいだろう。そういう心境で生きている。
「別れよう、俺たち」
そういう心境で、生きている。
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