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「ごめん。もう大丈夫」
「……ん。ちょっと待ってて」
「………?」
「…はい。シャンプーとかはあるもの適当に使って。これタオルと着替えね。妹のだけど」
「え?…い、いいよ。すぐ帰るし」
「帰れるわけないじゃん。何言ってんの?」
「か、帰るよ…!」
「何しに来たの?」
「……話?」
「うん。何の?」
「なんか…広瀬くんと…私が…付き合うかどうかみたいな……」
「うん。返事は?」
「………………」
「付き合うって言ったら、今すぐ抱きしめて甘やかしてあげるよ?」
「……………でも…」
「わかった。じゃあうなずくだけでいい。俺と、付き合う?」
「……………………でも、わたし…なにも……」
「んー、結構がんばるね。……じゃ、これは?」
「…、………っ…」
「…なつかしの広瀬眼鏡バージョン。……どう?おちた?」
「………ふふ、…ほんとに広瀬くんだ……」
「よし。…………おいで」
「……いいの…?」
「むしろ俺がいいの?って感じだけど」
「………………私は…別に……」
「………じゃあ、……はい」
「……ほんとにいいの…?………私……どうなっちゃうかわかんないよ…」
「大丈夫。何があっても離さないから」
「………ふふ……なんか、懐かしい…」
「何が?」
「マンガみたいなセリフ。そんなことリアルで言われたら引くわー、ってセリフをいとも簡単に吐くから、友達と話すとき広瀬くんのこと2次元の人って呼んでた」
「…え、俺3次元じゃなかったの……てか引かれてんのか…」
「…だから……なんか…そういうの、懐かしい…」
「うん。そろそろ抱きしめさせてくれない?」
「……っ………はい…………」
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