あなたに、気付いて。

5

「…ん、……なにもかんがえないで……」

「…や、…なん…か……へん……」

「…どんなふうに？」

「…わかんない…、……っ…」

「俺は今すごいきもちいいよ」

「…きもちいい…？」

「…ずっとこうしてたい……」

「…っ…んん………、……ぁ…」

「…ん…………」

「………ん……ぁ……、…んん…………」

「………さえきさん…？」

「……ふぇ…？」

「…ん、…泣けたね」

「……へ…、…な、泣いてな…っ…、あれ……？」

「………ごめんね、いきなり。…でも、これが一番負担少ないかなって」

「…っ…なに、…なんの…こと…？」

「大丈夫。いっぱい泣いて。…落ち着くまで待ってるから…その間、抱きしめてていい？」

「……ん…っ……ぅ…、……」

「泣き止もうとしないで。…我慢しないでいいから」

「…や…だ…、……っ……」

「…さっきまであんなに素直だったのに……むりやり泣かされたいの？」

「…っ………」

「…人前で泣いちゃだめだと思ってるなら、今俺抱きまくらだから大丈夫だよ」

「……っ………や…、…なんで…」

「………だいじょうぶ……いいこ…」

「……う…、……っ…」

「…でもこれだと佐伯さんが抱きまくらだね…」

「…っ……ふ…、……っ…そ…、だね…っ……ふふ…っ……」