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「正直、沙耶の奴が何を考えてるのかずっとわからなかったですよ」
翔太のやつが言った
狭いの世間の中で行動すれば、いつしかそういうことになるかと思いつつも
俺はお気に入りのスピリッツをショットで飲ませてくれるこの店を忘れることができなかった
かつては同じ会社の後輩だった翔太がこの店に来るのも自然な流れであって、ましてや俺が教えた店なのだからいずれはまた再会するのは目に見えていた
沙耶が俺の部屋を出て行き、数ヶ月後に翔太と暮らすと決めた日
翔太は俺への気遣いからか、会社を去った
俺としては時間が経って折り合いをつけたつもりだったが、どこかで翔太を許せなかったのかもしれない
-先輩の元カノ-
自分の彼女がそのカテゴリからはずしたかった
俺と顔を合わさなければ感じないですむかもしれない想い
それが翔太の思いだったかもしれない
そんな翔太が沙耶と別れて、思い出したようにこの店に来た晩
いつものように飲んだくれてた俺と再会するのもある意味自然だったのかもしれない
同じオンナに棄てられた者同士、キズを舐めあうでもないが・・・多分、分かり合えるのもこの二人しかないとお互いが想ったからかもしれない
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