最終章 夜をこめて

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 自由になった桜井の手が腰にまわる。ゆっくりと身体の輪郭を確かめるように手のひらを滑らせてながら肌に円を描く。ぞぞと震えがきて、身体を少し捩った。その瞬間に桜井の手がぐっと腰を掴んだ。  「羽山さん、すみません」  意固地になっていた心と体を引き剥がすように、桜井が身体をぐいと引き寄せてた。ずるりと身体の中から桜井が出ていく感覚に「うっ」と声が出る。  「すみません、後できちんとしますから。一度、落ち着かせてください」  横にした身体を後ろから抱きしめ、両脚の間に桜井は今しがた身体の中から引きずり出したモノを挟み込んできた。「すみません」と謝りながらも止める気は無いようだった。後ろからずりずりと蟻の門渡りあたりを擦られる。  「やめろ」と言葉にしてみても体が抗っていないのは桜井には伝わっているだろう。ぶるぶると小刻みに震えがくる、限界を超えるのはすぐだった。吐き出される白濁と、荒い呼吸。あっという間に連れて行かれて絶頂を迎えてしまう。  「お前は……」  「すみません。あのままでは、羽山さんを酷く傷つけてしまいそうだったので」     
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