第01話 初めての異世界転移

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 今、何が起きた。  ――くしゃみをして、顔を顰めて、目を開けたら外が急に明るくなって、というか外に出てるんだけど!?  俺、近藤銀二は本日めでたく誕生日を迎えて、初めてのお酒を飲もうとした。ただそれだけだったはず……?  そのはずが、何故か良く分からない場所に座り込んでいる。  後ろは山、目の前は丈の短い草原が地平線まで続いているかのようだ。空は青い。雲一つない。そして目を焼くように降り注ぐ太陽の光。住んでる寮はそこそこの住宅街の中に建ってたはず、それにこんな風景が近場にあった記憶が無い。 「……あ。そういえば今は冬、だった、よな?」  自分で言ってから気付く、暑い。冬とは思えないほどに暑い。  俺はTシャツに厚手のカーディガンを羽織って、ジーパンという、至って普通の格好。いわゆる部屋着だ。髪は眉くらいの長さで色は生まれつき茶色ぽい色をしている。それのせいで要らんトラブルに巻き込まれたこともあるが、それはまた別の話。顔も至ってどこにでもいるような顔、強いて言うならば眠たそうな目をしてると言われる。ぱっちり二重のせいだろうか?
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