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改めて新しい家族と思うと、ドキドキよりも嬉しさの方が大きい気がする。
これから万琴さんと生活していくのも色々と面白そうだな。
「それぞれ部屋は個室。お風呂とトイレ、洗面所、キッチンは共同だけど、好きに使ってくれていいし、冷蔵庫の中身も共同。どうしても食べられたくないおやつとかは名前書いてね♪」
「はい」
ここまでは万琴さんも俺も受け答えしていたんだが、次の話は俺の中では当たり前のことだったのだが…。
「お互いのことはほとんど詮索しないこと。家族と言えどプライバシーに踏み込むのはよくないからね。職業くらいは話してもいいけど、内容まではって感じかな。あ、家賃はないけれど、光熱費とか水道代とかは折半だからね♪」
「はい…」
夕飯はデリバリーピザだったが、二人でそれなりに楽しく和やかな時間を過ごせた。
風呂場も綺麗で、ゆっくり湯船に浸かるのが、こんなに落ち着くのかと思うくらいだった。
「初日だからかな、こんなに至れり尽くせりなのって」
シ…ンと静まり返った和室に一人で布団の中にいても、逆に緊張して眠れない。
いつもなら静かな部屋じゃないと眠れないと愚痴ってしまうのに…。
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