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とにかく明日は仕事なんだし、少しでも寝ておかないとダメだ。
無理してでも眠ろうと目を閉じてじっとしていると、瞼を開けるのが少し億劫になってきて、俺は安心して布団に身を委ねた。
「ん…何だ…?」
どれくらい寝ていたか分からないが、身体に変な重みと下半身が妙にスースーするので、ぼんやりしてはいたけど、かなり目が覚めてしまった。
「あ、起こしちゃいました?寝ててくれていいのに」
「万琴さん!?何でここに…?」
「すみません、我慢できなくて…。そのままじっとしててくださいね。お互い痛い思いはしたくないと思いますけど?」
言葉の意味が分からないまま、暗い部屋の中、しっかりと目を凝らしたけど、それでもよく見えなくて、枕元にあった電気スタンドのスイッチを入れて、ようやく自分の置かれている状況が分かった。
「万琴さん、何してるんですか!やめてください!」
「我慢できないって言ったでしょ?僕が勝手にするだけなので、そのままで大丈夫♪」
万琴さんがうっとりとした目で、息を弾ませて、部屋中に卑猥な音と、男とは思えないような甘い声を上げる姿は、俺の見た夢だと思いたかった。
夢であってほしかった。
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