恋人昇格はまだまだ遠い…

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それとも試し行動? もしかしたらだけど…今までもこうやってルームシェアして、全部ダメになったんじゃないんだろうか? だから、試してしまう…まだ希望があると思って。 「どうする?僕はセフレでも構わないよ」 「俺はセフレなんてごめんなんで、『恋人お試し期間』なんてどうですか?」 「そういう重いのはちょっと…。セフレみたいに割り切った関係の方が好きだな」 「だからお試し期間です。合わないと思ったらクーリングオフしてください」 「即日クーリングオフすることになるけど?もちろん未開封で♪」 「それはひどいですよ!」 いつの間にか、昨日よりも楽しそうな笑顔の万琴さんの表情とくだけた口調で、俺はわずかながらホッとしていた。 今こうやって話して笑う万琴さんが、本当の万琴さんじゃないかと思う。 いつもこんなふうに楽しく笑えて過ごせたら、セフレとかそんなこと考えないような気がするんだけどな…。 少し冷めてしまったおかずと熱々のご飯をかきこむようにして食べた俺は、これ以上は万琴さんと話すことが思い浮かばず、足早に会社に向かった。 仕事をしていても、万琴さんとの情事を思い出してしまい、なかなか仕事が進まない。
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