第一章

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8. 僕は中身が気になってしまい、千紗の写真が挟まっていた手帳のページを開いた。 大塚の字だろうか。 小さく角ばった字がページにズラズラと書かれていた。 所々、日付と思われる数字も書かれていた。 『今日はオオセキスーパーの特売日だ。千紗のことを追っているうちに、スーパーの特売日まで把握できるようになってしまった。 11時になった頃、千紗はスーパーに買い出しに来た。千紗と結婚していたら、ぼくも一緒に買い出しに来ていただろうか。2018.3.21』 『千紗が新宿まで買い物に来るのは久しぶりかもしれない。ぼくは千紗とデートしている気分になった。何軒か、お店を物色するところは変わっていない。ぼくはいつも買い物が終わるまで待ちくたびれていた。2018.4.16』 『千紗が風邪をひいたらしい。病院の待合室で待たされている千紗は本当に辛そうだった。千紗の風邪も病気も、どうせならぼくが全部、引き受けることができたらいいのに2018.5.31』 書かれている内容を見て、僕は一度、手帳から目を外し、眠っている大塚を怪訝な目で見た。 これはどういうこと?  大塚は千紗を監視していた?  ストーカー?     
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