第二章

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4. 手に冷や汗をかく。 喉が異様に乾いた。 手帳に書かれていた内容に動揺し、じっとしていられなくなった。 漫画喫茶のドリンクバーで、気持ちを落ち着かせようとコーヒーを入れる。 信じられなかった。 受け止められなかった。 僕と千紗の出会いが大塚に仕組まれたことだったなんて。 そしてあの家は、大塚のおかげで建てられていたなんて……。 立て続けにコーヒーを二杯飲み、息を整える。 とりあえず、今読み進めたところでは、大塚が裏で動いていたことは分かったが、千紗が大塚に接触したことは書かれていなかった。 それが今のところ、救いだった。 だけど、この先はどうだろう。 千紗との接点は、どこかで必ず出てくるはずだった。 手帳を読み進めるのが怖く感じた。 だけどもうここまで来て、止めることなどできない。 僕は再び、手帳を開き、読み始める。
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