第二章

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僕と千紗が結婚してからしばらくの内容は、千紗が何処に出掛けたとか、誰と会ったとかなど、千紗の様子を書いていることがほとんどだった。 僕はその現場を見ていないが、千紗から話を聞いて知っている出来事も何度かあった。 大塚の千紗への思いの強さが感じられる度に、複雑な思いになった。 怒りもあった。 哀れみもあった。 大塚がこんなに千紗のことを思っていても、千紗は手に入らない。 どうしたって千紗は僕のものだという事実が多少気持ちを落ち着かせる。 だが僕は遂に、千紗と大塚が接触したことが書かれている内容を見つけてしまった。
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