第二章

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6. パソコン画面に立ち上がったフォルダ内には、たった一つだけ、ビデオファイルが入っていた。 僕はヘッドフォンをすると、そのビデオファイルをクリックする。 すぐに映し出された映像はピンボケしていて、何が写っているのか分からなかった。 千紗の声がヘッドフォンから聞こえてきた。 『ねぇ、この布キツイ。取れない。お願いだから、取って』 男の声も聞こえてくる。 『ダメだよ、それは絶対に外しちゃダメ。外そうとするなら、手の自由も奪うよ』 『ねぇ、どうして。どうして目隠しをするの?』 『千紗にぼくの姿を見て欲しくないから』 ピンボケした映像が次第にクリアになった。 目隠しされた千紗が映った。 大塚の部屋だろうか。 よく見ると、千紗はベッドに座らされているのが分かって、声をあげたくなる。 『ねぇ、アキ。教えて。私はまだ、あなたが何故、私の後をつけているのか、その理由を聞いていない』 『千紗』 『何?』 すると画面に男の背中が映り込み、千紗はベッドに押し倒された。 『い、いや! ちょっと待って!』 千紗が抵抗する。 だか男は構わず、千紗の服を脱がし始めた。 ヤメロ、ヤメテクレと、僕の心が叫ぶ。
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