第三章

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「……ち、千紗は……今……幸せ?」 大塚が苦しそうな声で、途切れ途切れに聞く。 千紗は泣き出しそうになりながらも、「うん。幸せよ」と答えた。 千紗が大塚に微笑みかける。 「……良かった……。ぼくがあの頃も、今も変わらず願っているのは、千紗の…永遠の幸せだから……」 その言葉に、千紗は耐えられなくなって泣きだした。 僕はそっと千紗の肩を抱いた。 大塚が今度は僕の方を見る。 僕はポケットの中から大塚の手帳を取り出すと、それを大塚の手に握らせた。 手帳の中に入っていたSDカードは処分してしまった。 この手帳の中身を僕は勝手に読んでしまったけれど、これは大塚に返さなければならない。 大塚はその手帳をぎゅっと握ると、何も言わずに、僕をじっと見つめていた。 僕は何も言わずに、ただ大塚の目を見て、頷いた。 千紗は僕が幸せにする。永遠に。 そう心の中で強く誓った。 その気持ちはどうやら伝わったらしい。 大塚が安堵したように、緊張した表情を少し緩めた。 そして、僕に大きく頭を下げるようにして、そのまままた眠りについてしまった。
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