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「ボクハ『あいどる』モ『あにめ』モダイスキヨ。ニホンノタイセツナ『文化』ヨ。ソレヲタノシメルヒトハミンナ『仲間』ダヨ。ナカヨクシタライインダヨ」
私はその言葉に、ぴたりと涙を止めた。
仲間。……そうか。
私は『僕ら! 歌って踊れる☆ミラクルボーイズ』こそが至高だと思っていた。それに付随するアニメーションという文化は肯定していたものの、その他のエンターテイメントについては敵、総じてクソだと思っていた。
でも、全てのジャンルにはそれを愛する人がいて、それぞれを至高と思っている人がいるのだ。
隣田くんに『歌☆ミラ』を否定された時はとても憤りを感じたが、それは隣田くんも同じだったのかもしれない。
「……そうだね。私が間違ってたかも……」
「ハヤクゲンキダスヨ、ハナコ。ア、ゴメン、オキャクサンキタネ。……あ、キラリくんのフィギュアご所望っすかー? 昨日入荷したんですけど即日完売で、今入荷待ちなんすよー。予約しときますー? 今予約しとかないとやばいっすよー」
アフマドくんの接客を眺めていると、アフマドくんが振り返りウインクをした。その視線は、「すたっふるーむデケショウシトイデ」と言っていた。
私は笑顔を作り、その言葉に甘えることにした。
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