エピローグという名の日常

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自分で思っていた以上に大胆な行動を起こしていた夜の『自分』に何より驚きはしたけれど。 それでも、その行動の中に潜む私自身の想いを理解しようとしてくれて、それらを丸ごと全て受け止めてくれる人がいる。そんな部分も私自身なんだと認めてくれる人たちがいる。 その充足感は、今まで重く心にのしかかっていた固く絡められていた鎖を全て解き放ってくれたかのように、私の心を軽くしてくれた。 ずっと、強くなりたいと思っていた。 でもそれは、本当は『掃除屋』のような力に任せた強さのことをいうのではないのかも知れない。 いつだって隣にいてくれる圭ちゃん。どんな時でも私の身を案じてくれて、私を『いつもの私』に戻してくれる唯一の存在。 そして、一人で頑張り過ぎないで良いんだと言ってくれた桐生さん。そして、彼が率いる立花さん含む松竹組の人たちは、街を正常化する為に日々動いてくれている。私が夜な夜な彷徨い歩いても大丈夫な位、平和な街にしてくれるのだそうだ。 (心強い…。それに尽きるよね…) 『心強い』って、何だか嬉しい響きだ。 強さって、こういうことを言うのかも知れない。 皆の優しい瞳に囲まれて。 紅葉は三つ編みを揺らすと、自らも笑顔を浮かべた。 「ありがとうございますっ!」
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