第二話 セラフィの栄光

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小田の姿を見るや否や、あゆみは怪訝な顔をする。 無論、そんなあゆみの様子を見て小田が愉快な気持ちになるはずもなく、あゆみのネグリジェをぴらりと触った。 「おいおい、なんて格好だよ。居候の分際で態度がでかいんじゃあないのか?」 「ちょっと、あんたには関係のない話でしょう!」 あゆみはぴゃっと驚いて、レオンの背中へと避難する。 その様子はまさに自分の縄張りを荒らされた猫の威嚇のようであった。 レオンは自分の背中にしがみつくあゆみから煙草を取り上げた。 「こらこら、お客様の前なのだからもう少しちゃんとした格好に着替えてきなさい」 レオンの言葉にあゆみはぷいと顔を横に向け、抵抗の意志を見せる。 やれやれとレオンはため息をつき、気を取り直して泰造に話を促した。 「ところで、泰造たちは一体どうやって入ってきたのだい?」 レオンの問いかけに答えたのは榎本だった。 「玄関の呼び鈴が鳴りましたので、私が対応いたしました」 「なるほど、全く気がつかなかったよ」 レオンはほがらかに返事をして、今度こそ本題に入るよう泰造を促す。 「で、泰造はこの手紙が非公式オークションへの招待状であると知った上で僕の参加を強要しているのだろうね?」 レオンの瞳が鋭く光った。 その姿は西園寺家当主にふさわしい威厳に満ちていた。 「あぁ、そうだな。きちんと最初から説明しようか」
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