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3人が応接室に入ると、執事の男は2人をソファに座らせ、紅茶を出す。
「主人を呼んでまいります。少々お待ちくださいませ」
そう言って執事が応接室を出ると、真鍋がしょんぼりと肩を落として、小田に話しかけた。
「小田さん、私たち遅かったんですかね……」
小田は出された紅茶を一口啜る。
そして、この洋館の主人とやらのことを思い返して、笑みを浮かべた。
「いや、たぶん大丈夫だろうよ」
小田の自信満々な様子に真鍋は顔を上げる。
「それってどういう……」
彼女の言葉が最後まで告げられる前に、応接室の扉が開いた。
執事の後に続いて部屋に入ってきたのは、灰色の髪とちょび髭を生やした紳士な雰囲気を持つ男性だった。
彼は2人の客人を見て、右手を挙げた。
「やぁ、久しぶりじゃないか、泰造!」
その挨拶に小田もまた片手を挙げて応える。
「おう、久しぶりだな。ところで、煙草吸ってもいいか?」
「ははは、結局禁煙は出来なかったみたいだね」
朗らかに笑い、当主らしき男性は、小田と真鍋の向かいに座る。
それを了承の合図だと受け取った小田は、徐に煙草に火をつけた。
フランクな2人の様子に真鍋幸子だけが取り残されている。
「あの~、2人はどういったご関係で……」
恐る恐る切り出した真鍋に、2人が同時に答えた。
「大切な友人ですよ」
「ただの腐れ縁だ」
灰色の男性が真鍋に微笑む一方、小田は彼女を睨んだ。
2人のちぐはぐな様子から逃げるように真鍋は慌てて紅茶を飲む始末。
その様子に、再び灰色の男性は笑い声を上げ、
「失礼しました。ご挨拶がまだでしたね。僕はこの西園寺家の現当主、西園寺レオンと言います。今日はわざわざお越しください、ありがとうございます」
途端、小田は睨むのをやめ、真面目な顔になる。
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