雪夜の邂逅

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*** 暖かい空気に包まれているような感覚に気づき目が覚めた。 「……なに」 目に入ったのは見慣れない天井。そしてやわらかいベッドの感触。ぼんやりと重たい頭で辺りを確認すると、そこは見たことのない部屋だった。部屋の片隅では立派な暖炉がぱちぱちと火を放っている。 ここは一体…?たしか、あの時――。 すると突然、部屋の扉がガチャリと開いた。 「…起きたか」 扉の向こうから現れたのは、背の高い男性だった。私の姿を見るとのそりと部屋に入ってきて、ベッドの側へ近づいて来る。 「えっと…」 男性の姿は異様だった。 動物の毛皮のコートを身に纏い、頭からは笠をすっぽりと被っていて顔が見えない。 そんなおかしな恰好をしていて、間近で見るとかなり大柄な人だった。 もしかして、この人が助けてくれたのかな…? 「あの…」 「よかったな。あと一時間経っても目を覚まさなければ、さばいて喰うつもりだった」 「え」 降ってきた言葉に、私は伏せていた目を上げる。すると男はこちらを見下ろしていて、顔を隠す笠のわずかな裂け目から光る目を覗かせていた。
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