同居

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 私は段々、苛立つことが多くなってきた。  私は彼に触れることができない。  それと同時に、彼は私に触れることができない。  彼は時折涙を見せるようになったが、私はそうではなかった。  なぜなら私は彼を、愛せなくなったからだ。  触れあうことが出来ない、それにより心にぽっかりと空いた穴。  私はその穴を埋める手段を知らなかったのである。
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