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「あの、お疲れ様でした…」
やっと閉まるようになった鍵を閉めると、元村が申し訳なさそうにシャワールームから出てくる。
「…鍵は後で弁償してもらうから。」
「え、いや、無理ですよ!そんなお金…」
「稼げよ!バイトでもなんでもしてよぉ!」
「いや、外に僕出れない…」
「なら内職しろよ!バラの造花を作れよ!」
いかんいかん、こんなやつにかまけて気力を消費してたまるか。
「うちにいる以上、食い扶持は稼げ!」
「え、ここに置いてくださるんですか?」
「下手に外出して被害が出るよりは、自己犠牲と奉仕の精神を持った私が食い止めたほうがましだろうから。くれぐれも変なこと考えるんじゃないわよ。」
こうして訳のわからない、そしてクソ狭い同居生活は始まった。
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