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「え、えー…逃げなきゃ。」
そう言って逃げようとする元村を止める。
「誰が逃がすか!」
高校の頃習っていた合気道がまさかこんなところで役にたつとは。
自分のそれより細く肉の少ない腕を抑えながらそんなことを思った。
「痛い痛い痛い痛い!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「もう逃げない?」
「逃げません!ごめんなさい!」
「じゃあ正座!」
「はいい!」
拘束を解かれた元村が、怯えた小動物のような挙動でそそくさと正座する。
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