鍵は後で弁償してもらうから。

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「はあ…」 シャワーから出て服を着替え、何故か体育座りの元村に声をかける。 「あんたもシャワー浴びてきなよ。」 「え、い、いいんですか?」 「はぁ…もう今更水とガス代程度でがたがた言わないわ。あんた野放しにしたらなんかやらかしそうだし、そしたら私にも火の粉が飛んできそうだし。家に押し込めとくしかないけど、不潔なのは嫌だしね。」 「ありがとうございます!見逃していただいた上にシャワーまで…」 「見逃してないって。逃げたら即警察。」 「はい…」 「早く浴びてきなよ。服は私のお古でも着れるだろうから、着なくなったの置いとく。」 「は、はい、ありがとうございます。」 しばらくしてシャワーの水音が流れはじめ、ふと我に返る。 何やってるんだ、私は?
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