私と裕ちゃんの奇妙な同棲生活

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お母様の運転で裕ちゃんの家に着く。はぁ、1週間お別れかぁ。寂しいなぁ。 「あやめちゃん、なにやってるの?」この後私の家に送ってもらえるものだと思い込んでいた私は裕ちゃんが降りたあともシートに座っていた。 「早く降りなさい。」しまった。お母様予定あったんだ。当然のように座っていた自分が恥ずかしいよ。お母様にせかされて降りる。 「暫く裕と待ってなさい。」といって何処かへ出掛けてしまったお母様。 ?になっている私に「とりあえず入りなよ。」と裕ちゃんに声をかけられ、嶋田家に入った。 「ただいま。はい、お待たせ。」旅行カバンを持って帰って来たお母様。んっ?そのカバンは? 「それ月島さんのじゃん。」確かにお母様が持ってきたカバンは私のだ。 「さっき、山吹さんに頼んで着替え一式1週間分預かってきたわ。」 んっ?1週間?私の着替え? 「先生と約束したでしょ?1歩も家からは出さないって」 ?確かにお母様はそう…。 「今日から1週間、家に住むのよ。」 「…。」 「…。」 えっっっっっっっっっっっっ! ちょ、ちょっと待って。裕ちゃん家に住む?わわわわわわわたしが? 「母さん。」裕ちゃんも驚きだ。 「あやめちゃん、お父さんやお兄さんに知られたくないんでしょ?」 確かにそうですが…。 「高山さんと話はしてあるから。あやめちゃんが来てくれて嬉しいわ。裕のお嫁さんが来てくれたみたいで。」しとしと泣く真似をするお母様。
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