その魔女、甘党につき

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甘いものが苦手な拓人には考えられない発言であった。 どこから来たのか、どんな目的があってここにいるのかなどを聞いてもショココは答えない。 分かっているのはとても甘党であるという事と、1度食べたお菓子は自らの魔法で出す事が出来るということだけ。 「なぁに?私の事じっと見ちゃって……。欲情しちゃった?いいわよ、きても……」 ショココはただでさえ際どい胸元を更に広げる。 「やめろビッチ!……よくそんなの口に入れる気になるなって思っただけだ。チョコとかケーキならまだしも砂糖そのままでいくか?普通……」 「たまには直でほしくなるのよ。ほら、お酒だって割らずに呑む人いるじゃない?そんな感じ」 「……あっそ」 例えを聞いてもピンと来ない拓人は適当に流す。 「拓人は本当に甘いものダメだものね」 ショココは空になったスティックシュガーやガムシロをそこら辺に投げ捨てる。それらは床に落ちることなく消えた。 「なんか好きじゃないんだよな……。時々甘い匂いだけでももたれる」 「甘いものが苦手なのは強い証拠ね。……それとも経験が足りないのかしら?」 (なんだ?またセクハラ発言か?) 「まだ高校生なんでね」 拓人は適当に答えるとカレンダーを見た。 「あ……」 拓人は小さく声をもらす。 「どうしたの?」 「明後日は記念日なんだ。なんにも考えてなかった……」 どうも女子というやつは記念日を大事にしたがる。そして記念日にはなにかサプライズを求めたりする。拓人の恋人である七海も例外ではない。 「どうすっかなー……」 拓人は頭を抱えた。 「ならショコラベリーにでも行ったら?」 「うげっ、やだよ……。てかよく知ってるな」 「女子なんだから当然よ」 ショココは豊満な胸を張ってみせた。
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