冬 「今日も」お鍋にしましょうか

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「じゃ、今日もお鍋にしましょうか 」 そんな火の粉さんの言葉から始まった晩御飯。 目の前のちゃぶ台にででんと置かれたのはお鍋。 普通のお鍋と違うのは真ん中に仕切りがあること。それ以外は、なんの変哲も無いふつうのお鍋だ。 綺麗な黄緑色をした白菜とか、ふっくらと傘を開いたしいたけとか、どっしりつやつやなお豆腐とか。 そして、そして、赤と白のコントラストが眩しいお肉が整然と入っている。 あと少しで食べれる程度に火を通したのだろう、ゆらゆら揺れる湯気がなんともいい香りを漂わせていた。 「なんじゃ、今日もお鍋かの 」 でも、お雪さんは少しだけ不満そうな声を出す。 それを火の粉は冷めた目で突っ込んだ。 「雪の精霊さん。よだれつららが口元についてます」 「むむむ、これは違うのじゃ!!これは、毎日お鍋で寂しゅうなった妾のお口の涙じゃ!」 その誤魔化し方はどうなのか.... 火の粉の精霊はちょっとだけ雪の精霊を可哀想な目で見てしまった。
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