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さてさて、なんだかんだでお鍋はぐつぐつといい感じに煮立ってきた。赤と白だったお肉もなかなかにいい色になっていて美味しそうだ。
ぐぅぅぅぎゅるる
お雪さんのお腹はもう待ちきれならしくって、盛大に抗議の声を上げてしまう。
「さてと、食べる前に、雪の精霊さん。覚えてますね??」
「うむ!越えない、触らない、使わない じゃな!」
「そうです。ちゃんと守ってくださいね?」
「うむ!!」
じゃないと僕、死んでしまいますからマジで。
その自信満々な返事が心配なんですよ、お雪さん、なんて言えるわけがない。そのかわり小さな火花がパチパチと弾けた。
雪の精霊が興奮しているからか、ちゃぶ台の真ん中から向こうは極寒の猛吹雪。こちら側は小さな赤い炎がちらほら燃えていて暖かい。
今日もお部屋が凍りつきませんように。
今日は火の粉ちゃんにあーんができますように。
そんな願い(一部不純な)を込めて両手をパチリ。
「「いただきます」」
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