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懐から出てきたのは、少し大きめの保温瓶。火の粉の精霊の懐に入っていたお陰でいい感じの暖かさ。
「あ、米糀の甘酒作ってたの忘れてました」
「んむ?米糀の甘酒じゃ?お主はよく酒粕の甘酒を飲んでいるでは無いかの?」
「ええ、僕はいいですけど、雪の精霊さんはお酒に弱いでしょう?」
真冬に、暖かそうに甘酒を飲む火の粉を羨ましそうに見ていたから作ってみたんです。
火花をパチリパチリと弾けさせて恥ずかしそうに火の粉さんが訳を話せば、お雪さんはくぅぅと変な声で呻いてごろごろと転がった(もちろん中央線は超えずに)。
「よし!!せっかくじゃからの!甘酒を頂こうではないか!一緒にの」
楽しそうににししと幼い顔で笑った真っ白な美女に対して、オレンジ色の小柄な青年はふんわりとはにかんだ。
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