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「今日は特別な日だ」
弁当を食べながら俺は長瀬に言う。
別に朝起きたら翼が生えてたとか、突如世界を救うなんて宿命を受けるなんてそんなものでは無い。
かと言ってよくある恋愛モノのような突発的に美少女に出会ったというわけでもない。
長瀬は呆れながら聞く。
「どうした?まさか夢でいいことでもあった?」
「いや、違うけど、別に漫画の読みすぎで変なこと言ってるわけでもない」
「じゃあ何があったんだよ?」
長瀬は少し興味を持って聞き始める。
俺弁当を食べ終えながら片付け始め、ついでと言わんばかりに喋り出す。
「いや、今日俺さ由希と目が合ったんだ」
それを聞いた途端長瀬は再び呆れた。
確かに俺はことあるごとに由希がこうだったーとか由希のこういう所が好きだーとか片思いぼっちよろしくひとりでに語るんだが。
「そこまで呆れるなよ。話はこの先にもある。その後さ少し照れてたんだよ。」
そう言うとさらに長瀬は呆れて、
「いや、そこまで好きなら告れよ……俺だったら普通に思い伝えるぞ?そこまで好きなら」
長瀬は携帯を取り出し、画面をこっちに向ける。
「ほら、湯原さん彼氏いないらしいし、お前のこともいい人だと思ってるみたいだぞ?」
長瀬はそう言いながら勧めてくる。
「でもなぁ……」
俺がそう言うと長瀬は耐えきれなかったのか
「そんなんだからダメなんだよ、今から組んでやる今日の放課後な。」
そう言って無理やり約束を組むのであった。
「ねぇねぇ聞いてよ悠ちゃん!」
私は悠ちゃんに懸命に話しかけます。だって今日は特別な日だから。
「どうしたの由希。あんたにしてはいつも以上に元気ね。何かいいことでもあったの?」
友達の悠ちゃんは優しいからしっかり話を聞いてくれるのです。だから私は嬉しかったことを話します。
「今日祐樹くんと目が合ってしまったの!」
私は照れながら喋ります。
「へぇ、良かったじゃん。照れたりせずにしっかり目合わせれた?」
悠ちゃんは意地悪でもあるのでそう聞いてきます。
「そんなこと無理だよ!照れちゃったもん!」
私はそう言って怒ります。
少しむくれてた私ですが、メッセージが来てびっくり。なんと長瀬くんが、祐樹くんから話があるというじゃないですか。
それを見た優ちゃんは
「告白じゃない?いっそそうじゃなくても由希から告っちゃえ」
と言うもんですから、恥ずかしくなります。
要件は何なのだろう。
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