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赤ずきんは少し呆れた顔をしながら、めんどくさそうに答えた。
「もう終わったわよ。死体袋、あんた持ってんでしょ。早くちょーだいな」
赤ずきんが狼男の方を見ずに手だけ差し出す。彼が死体袋を渡すとサッと受け取り、それを広げた。
見た目はただのポリエチレン製の黒い袋だが、臭いや水は漏れ出さないし、簡単には破れない特殊合成繊維で出来た優れものなんだな。
そして、二人は死体を袋に入れていく。硬いレンガの地面の上で、重症患者を扱うが如く丁寧に死体を扱っていた。
死体は致命傷以外ついてはならない。なぜなら商品が傷一つ付けば売り物にならないように、死体もそうなれば金にならないからだ。
その作業はものの五分もかからないほどあっという間だった。
赤ずきんが多少手に付いた血を拭き取ると、狼男の方に残った袋を押し付けるように返した。
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