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「さてと、後は組織の連中が何とかしてくれるでしょ」
赤ずきんがそういうと、超小型発信器を死体袋の中に放り込んだ。奴らはそれを頼りに死体を回収しに来るって訳さ。
元々、発信器は彼女達の仕事を円滑にサポートするためにつけられたものだ。正直に言うと、そんなの建前だけで、本当は彼女達を監視してるのだけどね。
そして彼女はぐるりと狼男の方を向くと、ズカズカと彼に向って速足で歩いていく。
「てか狼!アンタねぇ、何で隠れたのよ?ん?」
ご立腹な様子で彼にチンピラのように詰め寄る彼女。それに彼は平常心で返す。いつものことだから慣れてるんだな。
「隠れてた訳じゃねぇよ。お前が早く行き過ぎなだけなんだって。ターゲットとは距離を一定に保つのが基本なのにお前がガンガン行くから悪いんだろ。あんな小物に何興奮してんだよ。お前はもっと殺しの基礎から学んだ方がいいね。俺の持ってる入門書でも貸してやろうか?」
真顔で淡々と話す彼にフンと鼻を鳴らす。彼女はさらに腹を立てた。
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