雨に泣く

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* さくらは週に一度は訪れた。 合鍵を持っているようで、春樹より先に来て食事を作ることもあった。 訪問の度に俺にも声をかけてくるが、俺は何も返さない。 この家を後にする日を考えることが日課になっていた。 時には、さくらさえ現れなければ……と思う日もあったが、春樹の幸せそうな笑顔を思い返すとその思いはすぐ修正された。
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