雨に泣く

6/9
前へ
/9ページ
次へ
* 何時間歩いただろうか。 雨に打たれ、すっかり濡れてしまった身体が重い。雨は悲しみを半分洗い流すどころか、虚しさを増幅させた。 今頃二人は温かい食事を食べ、仲良く並んでテレビでも見ているだろうか。 二人っきりになったのだ、幸せになって欲しい。あの時、春樹に命を救われた恩返しをしたい。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加