雨に泣く

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* いつの間にか雨をしのげる公園の遊具の中で眠っていた。どれくらい時間が経ったのだろうか。 外を見ると、雨はまだ降り続いている。 「……---ツ! ナツーー!!」 自分を呼ぶ声が聞こえて慌てて声がする方へ向かう。 「ナツ!!」 道路を挟んだ先には、傘もささずにずぶ濡れの春樹が居た。 「っはぁ、はぁ……バカナツ! どれだけ探したと思ってるんだよ!」 全身で呼吸をしながら俺の顔を見据える。 そして、 「見つかって良かった」 と道路を横断する--- 『プアァァァァァーーー!』 ドンッ!! 一瞬の出来事だった。 一台の車が春樹に衝突し、春樹は宙を舞い、何度か転がり、そして、動かなくなった。 おい、嘘だろ!? 春樹!! 車はそのまま猛スピードで去って行く。 春樹! 春樹!! 目を開けろよっ。俺は恩返しがしたかったんだ! なぁ、何で俺なんか探すんだよ! あああぁぁぁぁ…… 俺はこんな時無力だ。 何もできない。 誰か助けてくれ。 誰か、誰か、誰か! ………さくらなら!!
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